「基本のテーブルマナー」フォークやナイフの使い方や順番について

普段テーブルマナーを意識する食事をする機会がありませんが、機会がないからこそデートや結婚式の披露宴などのテーブルマナーは緊張しますよね。
テーブルマナーを知っているか知っていないかで、格段に相手や周囲に与える印象が変わります。
そこで、この記事でテーブルマナーを中心に、お店側で並べられる食器の並び方の基本やコース料理の順番、そしてナイフやフォークの正しい持ち方から食べ方を料理別に紹介します。
あなたが気になってることはありますか?
テーブルマナーの前に!コース料理の基本
テーブルの席に促されて椅子に腰かけるときには、腰を深くかけて背筋を伸ばしバックは腰の左脇に置くと姿勢がきれいに見えます。ナプキンは、すぐに広げても間違いではありません。お料理が運ばれてくる前に広げておけば大丈夫です。
テーブルマナーは礼儀作法の基本的な知識の一つですが、あまり格式ばったことを考えてしまうと、ぎこちない動作になりコース料理を楽しむことができません。
まず、席につくとテーブルの上にはすでにお皿やスプーンなどが配置されていると思いますが、コース料理の基本の食器の並び方やコース料理の順番を見ていきましょう。
テーブル上の食器の並び方
テーブル上の食器の並び方の基本は、外から内側に食べる順番に合わせてセッティングされています。
ナイフ
ナイフは刃の部分が内側に向いて置きます。
フォーク
フォークは先のほうが奥(相手側の席)に向くように置きます。
デザートナイフ
デザートナイフは、右手で持ち刃部分が手前に向きます。
デザートフォーク
デザートフォークは左手で持ち奥側に向いて置きます。
テーブルの奥に配置されるのがコーヒーカップですが、コーヒーは左で手カップを持って右手にスプーンを持ちかきまぜます。
コース料理の順番
一般的コース料理の順番は次の通りですが、仮に上記で紹介したフォークやナイフのセッティングでいくと一番外側のナイフから手に取っていくということになります。
◆コース料理の順番◆
1.前菜1
2.前菜2
3.スープ
4.魚介のメイン料理
5.(口直しのシャーベット)
6.肉類のメイン料理
7.デザート
8.コーヒー
ちなみに、魚介用のナイフについては形状が違っているので覚えておくといいかもしれません。
フォークの使い方や食事別の食べ方
フォーマルの席でのテーブルマナーは国によっても多少ことなることもあります。
アメリカでは最初にお料理をナイフとフォークで食べやすく切り分け、ナイフを元に戻してフォークを右手に持ち替えて食べることは良いと考えられているようです。
またアメリカや他の国では、使わない左手は膝の上に置くという一般的なようです。
これは使わない手は、膝に置くのがマナーとされているようです。
では、フォークの使い方や食事別の食べ方について詳しく解説します。
使う順番
フォークとナイフを手に取る順番をコース料理の順番にあてはめると、前菜1用→前菜2用→魚介料理用→肉のメイン料理用となります。
仮にナイフやフォークの順番を間違えて、サラダ用のフォークがそのまま残ってしまうようなことがあっても大丈夫です。
お料理を下げにお店の人にそのことを伝えれば代わりの物を持ってきてくれます。もしくは、お店側で機転を利かせて対処してくれます。
基本の持ち方
ナイフとフォークは、日常使う機会もあるので身近なものですがそれぞれ基本的な役割は決まっています。
ナイフは料理を切るものでフォークは口に料理を運ぶものです。
では、テーブルマナーで使える正しい持ち方を見ていきましょう。
ナイフ
ナイフは左右どちらでも「利き手」に持ちますが、人差し指を刃の付け根にあてて握ります。人差し指があまり上に添えると、料理を切ったりするときに力が入りにくく安定しないので切りにくくなります。
フォーク
こちらも利き手で持ちます。フォークもナイフと同じく、人差し指を添えるようにして持ちます。フォークもあまり上に人差し指を置くと、力が入りにくく刺しにくいです。
食事別のフォーク・ナイフ・スプーンの使い方
ナイフとフォークの食事別の使い方で注意するのは、ナイフで料理を切って終わったらナイフを置いてフォークに持ち替えるのはNGです。これはあくまでカジュアルなレストランで通じるものです。
正式なテーブルマナーを意識しているお店などではあまり上品とはいえないのでやめておいたほうが無難です。
では、さっそく食事別のフォーク・ナイフ・スプーンの使い方を見ていきましょう。
また出されたものをすべて食べきる必要はなく、皿の上に残したしまったものは、見た目が見苦しくならないようにお皿の上でまとめます。
前菜
前菜やサラダのフォークの使い方は小さい食べ物ならそのまま突き刺して口にしますが、大きいレタスなどはナイフを使うのも大丈夫です。
葉類に関しては、ナイフを使って折って厚みを持たせるとうまくフォークを刺すことができるので食べやすくなります。
また、サラダやサイドディッシュに関してはフォークで刺すよりも乗せた方が食べやすいと感じたら、フォークを裏にして持ち替えるのはOKです。
スープ
☑スープは手前から奥に向かってすくう
スプーンは、手前から奥に向かってすくいますが、スープに関しては「飲む」ではなく「食べる」というスタンスで考えましょう。
スプーンで手前から奥に向かってすくったらすすらずに食べるつもりで口の中に入れます。
スープが少なくなってきたら左手前をやや持ち上げ、右側にスープをためるようにしてすくようにするのがいいです。
ただし、持ち手があるカップでスープが運ばれてきたらそのまま口に運ぶのは問題ありません。
魚料理
☑魚をひっくり返さないのがポイント
☑魚の身は、上から下へ寄せるように取る
魚料理はそのままの状態でひっくり返さずに食べていくのがポイントです。
まず、フォークで中心になる骨を押さえておきます。この状態でナイフで表面の魚の身を上から下へ寄せるようにして取っていきます。
寄せたらフォークを使って骨の左側を押さえて、ナイフは骨の下に持っていき身をはがします。残った骨は、皿の上の空いているスペースに置きましょう。
◆ボウルが出てきたら・・
魚介類の料理で殻付きの蟹やエビなどだった場合は、フィンガーボウルが添えられることもあります。
フィンガーボウルは手を洗ってもOKですということなので、汚れた指先をフィンガーボウルで軽く洗い、後はナプキンなどで手を拭きます。
肉料理
骨のついた肉料理はナイフを骨の近くに入れて切り離すようにしましょう。
左端から一口ずつその都度切っていくと、見た目もきれいで肉が冷めにくく肉汁も逃げにくくおいしく食べることができます。
フォークやナイフを使うときは、八の字の形になるようにして肘はテーブルにつけないようにします。
肉の付け合わせとしてつく豆類などは転がさないようにフォークの背で少し潰すとうまくすくえます。
ライス・パン
ライスはなるべく左手を使うようにします。
ライスをナイフを使ってフォークの腹に乗せて食べます。
このときに音をたてないように注意しましょう。
右手に持ったナイフでライスを一口で食べきれる分ほどを乗せてください。
ライスの山を切るようにして乗せると見た目もきれいに見えます。
パンについては一口大の大きさ程度にちぎって、その都度バターをつけて食べるようにします。
デザート
テーブルの上に用意されてるナイフやフォーク、そしてスプーンなどは必ずしも全部使う必要はありません。
自分が食べやすいものを使って食べても大丈夫です。
デザートなどできれいに食べにくいのが「ミルフィーユ」ですが、ミルフィーユは思い切って横に倒しナイフで切っていくときれいに切ることができます。
果物のメロンは、皮から1cm~2cm内側にナイフで切り込みを入れます。切り込みを入れて皮がはずれたメロンを一口サイズに切って食べましょう。
ケーキの場合はケーキを包んでいるセロファンや銀紙はクリームがついていると見た目がきれいではないので、汚れがついている部分を内側にしてたたんでおきましょう。このときにフォークで包まないようにしてください。
置き方
ナイフとフォークの置き方は、食事の途中での置き方と食事が終わった時の置き方で異なります。
食事中
ワインを飲んだりパンを食べるなど食事途中で置くときには八の字に広げて置きます。
このときに、ナイフは刃の方を内側に向けて置きフォークは背を上に向けて置きます。
食後
食事を食べ終わった時はナイフとフォークを揃えて右斜め下に置きますが、ナイフは刃の向きは内側にしてフォークは背の方をテーブルに向けて置きます。
フランスとイタリアのマナーの違い
フランスとイタリアのテーブルマナーは、少し食い違うポイントが多いです。
これを使い分けようとしてしまうと頭の中がゴチャゴチャ混乱してしまいます。
もともと、テーブルマナーは16世紀のフランスが起源とされていて、テーブルマナーをリードしてきたのはフランスです。
そこに歴史的にフランスとライバル関係にあったイギリスが対抗して、独自のテーブルマナーを生み出してきたようです。
では、フランスとイタリアのテーブルマナーにはどんな違いがあるのでしょうか。
ナイフとフォークの使い方の違い
①イギリスのテーブルマナーでのフォークの使い方は、料理をフォークの背に乗せて食べます。フランス料理はフォークの背に料理を乗せると恥ずかしい思いをするので注意してください。
②フランスのテーブルマナーではフォークを右手に持ち替えるなどはOKですが、イギリスのテーブルマナーではNGです。持ち替えてはいけません。
③料理を食べ終わったときのナイフとフォークの置き方も異なります。
イギリス:ナイフ・フォークは縦に並べる
フランス:ナイフ・フォークは、3時の方向に置くか右斜め下に柄が来るようにするのがテーブルマナーです。
スープの飲み方
スープの飲み方はイギリス料理とフランス料理とでかなり違うので注意が必要です。
イギリスの場合、出されたスープは手前から奥に向かってスプーンをすくいます。
スープが減ってきたら、お皿の手前を少し浮かせるようにして飲みやすくする必要があります。
ところが、フランス料理のテーブルマナーはこの方法は完全に反対です。
フランス料理は奥から手前に向かってすくい、スープの量が残りすくなくなったら皿を少し奥に浮かせて口に運びます。
イギリスのアフタヌーンティー
アフタヌーンティーはイギリス独自の生活習慣です。一般的にミルクティーになります。
アフタヌーンティーは、通常カップになみなみと注がれるので、カップではなくソーサーごと持ち上げて飲みましょう。
また、カップのつかむ部分は指でつかむために存在しているので指を通してはいけません。
軽食などでも一緒に出てきますが、そのときの食べる順番はサンドイッチ⇒スコーン⇒ケーキで食べるのが一般的なテーブルマナーになっています。
テーブルマナーの注意点
テーブルマナーと聞くと、これはしてはいけないなどの注意点もあってそれが気になって食事の味もわからなくなるときもあります。
本来、マナー自体は周囲や相手の心遣いのためだということを忘れないようにしましょう。
例えば、ナイフを人に向けて置いてしまうのはやはり失礼になるので自分の方向に向けるなどの心遣いです。
お料理を一緒に食べる相手、お給仕をしてくれたお店の方など周囲の人に対する心遣いがテーブルマナーの本質になっています。
また、ナプキンは手の汚れや口の汚れで使うもので、自分が持っているハンカチなどを使うとお店に失礼になります。
食事の途中でナプキンを置くときには、少し角をずらすよう四角にたたんで膝の上に置きます。ちなみに、首にぶら下げるような置き方は好まれませんので注意してください。
左利きの場合のマナー
テーブルに座ったときにセッティングされているフォークやナイフ・スプーンなどは右利きの方を想定してセッティングされます。なので、ナイフとフォークを持ち替えるのは構わないので左利きの方は持ち替えて使いましょう。
料理のときには持ち替えますがナイフとフォークを戻すときには、右利きの方と同じ場所に置くようにします。
つまり、食事が終わったら右利きの方と同じように、右斜め下に置くようにしてください。
これは、お給仕をしてくれた方へのマナーとなります。
食事を終えて給仕の方がお皿やナイフ・フォークを下げるときに、あちこちに方向が向いて置かれていると片付けるときに給仕の方の手を傷つけるなど危険です。
まとめ
食事が終わって帰るときは、使ったナプキンをデザート皿の右上に置くのがベストです。
ナプキンはたたむ必要はなく、かといってグチャグチャにならないように置くようにしましょう。
では、ここで紹介したテーブルマナーに大切なポイントをおさらいしましょう。
✅ナイフを置いてフォークに持ち替えるのはNG
✅スープは手前から奥に向かってすくう
✅魚はひっくり返さず上から下に寄せるように取る
✅肉は左端からその都度切る
✅ナイフ・フォークは、食事中は八の字、食後は右斜め下
ナイフとフォークの使い方に慣れない方は家で軽く練習などしておくと正式のパーティーなどで、ある程度落ち着いて料理を楽しめるかもしれません。
最低限、皿やフォークやナイフで音を立てないことと、見ていて不快になるような食べ方をしなければ大丈夫のようです。